スティーブ・ジョブズも求めた奇跡のマスター
インドのリシケシに行ったことのある方は、この顔に見覚えがあるのではないでしょうか。
町中の至る所に飾られているけど、あまり日本人に馴染みのないこのグル(マスター/導師)こそ、ニームカロリババです。
ミラクル・ババ(奇跡のマスター)と呼ばれ、多くの人を惹きつけまた導いたこの偉大なババは、今では「スティーブ・ジョブズが道に悩んでいたマークザッカーバーグにニームカロリババの所へ行くようにアドバイスをした」という逸話で(一部の人々には)有名です。
実際の所、スティーブ・ジョブズがインドのニームカロリババのアシュラムに辿り着いた時にはババは肉体を離れていたため、ジョブズ自身がババとどのような精神的関わりを持っていたのかはわかりません。
しかし、マークザッカーバーグは自らFacebookの成功の重要な鍵として、ジョブズからのアドバイスに従いインドのニームカロリババのアシュラムに訪問した事実を語っています。
今日の記事は、ニームかロリババのアシュラムを訪問した際の私の日記です。
リシケシ11年目に初めて訪問する
私は昨年インドの会社を辞め、アグロエコロジーや持続可能なコミュニティについて勉強しつつ、リシケシでの有機農業ビジネスの可能性を模索していた。
少し私の事を話すと、私は
スピリチュアルな体験から農業の重要性と大地との繋がりを意識しだし、いつか人の魂と心と地球を繋ぐ様な場所・プラットフォームを作りたいという夢に向かって動き出そうとした2010年、
(具体的には、イギリスでヒーリングと園芸を学ぼうと思っていた)
「先にインドへ行って自分の心と向き合わなければ」という衝動に突き動かされ、1ヶ月程で準備をしてバタバタとリシケシまでやってきた。
夢の実現の為に始めたヨガにハマってしまい、様々な導きがありヨガを教えながらインドで霊性修行を行っていた2012年のある日、夢で現在の農業ビジネスの問題点を教えられた。
農業・園芸とスピリチュアルが密接に繋がっていると感じていて、それらについても学んでいたけれど、夢で教えられた様な問題点や、それが他のあらゆる社会問題と、人の精神的・肉体的問題とどの様に繋がっているかまでは知らなかったし気づいていなかった。
夢を見た私は夢で聞いた内容を確認していったが、そのどれもが正しかった。
それ以来、私は農業や環境、そして社会問題全体が私たち一人一人の魂に繋がっている事を伝えながらヨガを教えていたけれど、その繋がりの部分はあまり伝わっていない様に思えた。
みんな、自分の人生の苦しみを取り除いたり、トラウマを癒したりすることに必死なのだ。
楽に生きたい
そんな、生徒さんたちの悲痛な心(頭)の叫びと、それを超えて人生を酸いも甘いも楽しみたいという魂の相反する願いを聴きながら、どうしたら私が本当に教えたいスピリチュアルの本質を皆さんに伝えられる様になるかを考えた。
そして、ヨガ教室を締め、教室以外で自分自身が私の魂をどう生きて表現し、それを伝えていく事ができるのかを新しく模索したのだった。
「インドで有機農業と食を通して、社会のあらゆる問題を多くの消費者に気づいてもらう」事と、「その事業を通して現在の農業ビジネス、食ビジネス、ひいては社会の仕組み自体を変えたい」という目標の為に、まずはインドのビジネス社会、文化、伝統をより深く理解する為にインドで必死に働いた。
ようやくやりきった、次のステージに行けると思い退職。
そして、同じ志をもつ仲間たちにも出会っていった。
長いリシケシとの関わりの中で、アーチャリア(一般的に在家の先生)やスワミジ(出家した先生)、リシケシでヨガを教えている友人や地元のお店の人たちが、私の願いに同調してくれ、土地を使いたい人やキッチンを貸してくれる人を繋げてくれたり、お坊さんたちの集まりの中でリシケシ中のアシュラムに協力を依頼してくれるといった心強い言葉までいただけた。
あとは、私が計画を明確に決め、何から作り始めるのか決めて動くだけ。
周りは応援してくれている。
この土地には、私が描いてきた夢を後押ししてくれる見えない導きが溢れている。
土地も使っていいと言ってくれる人が何人かいた。
でも、怖かった。後戻りできなくなる事が。
本当に私に、そんな夢を叶えるだけの実力があるだろうか?
今思えば怖くて怖くて逃げ出したかったんだと思う。
この3ヶ月ほど、会う人会う人にニームカロリババの話をされた。
今まではあまり話題に上がってこなかった人なのに。
きっと、私が事業を始めようとしている事で、多くの人がジョブズやマークザッカーバーグを導いたババを勧めてくれていたんだと思う。
そして私は、仲間と共にニームカロリババのアシュラムへ行った。
(ナイニタールではなく、リシケシとハリドワールの間にある所へ)
人がほとんどいなかったので、ニームカロリババの祭壇の前に坐禅を組んだ。
目を閉じると、真っ直ぐに流れるエネルギーが身体をスッと整えていった。
ババからのメッセージ
肉体が一呼吸ごとに微調整を行いながら、エネルギーの流れに同調していく。
軸が自然と伸びて安定していく。
自分では何も行っていない。
しかし、呼吸は自然にどんどん深く、そしてゆっくりになっていき、身体は力を必要とする事なく、一つのポジションに向かっていくかの様に安定へと調整されていく。
エネルギーの流れに心身を委ねながら、微かに残る自我を、静寂の中で絞り出した。
「私がこれから何をしたらいいのか教えてください。
どこへ行けばいいのか、どこに住めばいいのか。」
その声は静寂によってほとんどかき消されていた。
問いを保持しながらも、意識を委ねていると、私の魂、私の人生の軸が何かがわかってきた。
それは「愛したい人を愛する事」だった。
涙を流しながら、私はその人生の軸をちゃんと中心に感じていいんだと思っていると、ババから、
「愛しなさい。
その中心軸を、大切に自分の中心に保持していなさい。
決して離さないように。
物理的にもう会えないと思っていても、愛していなさい。
あなたがあなたの愛を掴み離さなければ、全ては森羅万象自らが姿を現し、目の前に明白に提示されます。
何かをしようとか、どこへ行こうとか考える必要はありません。
あなたが想像していない事が起こります。何を計画しても、全ては無駄です。
でも、あなたがあなたの愛をしっかりと感じていれば、そして愛そうとしていれば、
あたなはいつどこで何をしたらいいのか、わかります。
森羅万象に全て委ねて、大切な人と向き合い、愛を育みなさい。」
言葉にはならないけれど、そのメッセージを感じていると、ババの言う通りに私がこの状態を保っていった時にどんな姿に私がなるのかのビジョンが現れた。
私は全ての人の母になり、多くの人を愛し、ババの弟子のマザーの様に多くの人に真実の神の愛を伝え育んでいた。
10代の頃、人生の暗闇の中で見た光に似たビジョン。私がブッダやキリストの様になれる訳がないと思いながらも、ずっと私を支え続けてくれた光。
今でも、そんな風になれる訳がないと思っていた、理想の姿になる為に今、そしてこらからも行っていく最も大切なことは、最も基本的な事。
私が私を愛し、私の愛する人を愛し、私の子供を愛する事。
それが私の人生の軸で、そこで育む愛と幸せが、この世界を愛で満たし幸せにしていく。

ビジネスにこだわっていた私
「起業」「ビジネス」「新しいビジネスモデルになる」と意気込んでいた私にとって、ニームカロリババのアシュラムで感じたことは、予想外の感覚だった。
瞑想を終えてしばらくすると、まるで今の自分の在り方を否定される様な気持ちさえした。
実は、とても素敵な人に出会い愛を分かち合ったのだけれど、お互いの人生プランが違いすぎて、
違いすぎてと言うか、やりたいことはほぼ一緒だったのだけれど、これから住もうとしている国が地球の反対側だった、と言うか。
それぞれずっと夢見てきた事があるから、お互いを応援し合ってそれぞれの道を進んだのだ。
きっともう会えない。どこかでまた会えるかもしれないけれど、一緒に生きていくパートナーは別にいるんだ、と自分に言い聞かせていた。
ババのメッセージは、心にしたがって、まだその彼としっかりと向き合って一緒に過ごす様に、と言う意味を含んでいたから、戸惑った。
もう私はその場所を離れて、こうしてリシケシに戻ってきたのに。
今さら、もう人生は変えられないのに。
まぁ、自分の中の愛だけは否定せずに、しっかりと感じておこう。
そんな風に思っていたのだけれど、次の1週間でいろんな出来事が起こり、10日後にはまたその人と一緒にいました。
それはまた別の話で・・・。笑
命拾いした・・・。
ニームカロリババのメッセージ(波動)はとても強く、その後も長い事私の中に響いていました。
ババは、
- 計画しても意味がない
- 全ては森羅万象がそれ自ら明らかになっていく、展開していく
といっていました。(と私は受け取った)
ロックダウンが起こった時、ババの導きは正しかったと思いました。
ババのメッセージを受け止めなかったら、私は土地を決め、お金を動かしていたかもしれず、土地の契約まではしなくても住む家は最低限決めて引っ越していたはずです。
でもババからの、彼としっかりと向き合う事、離さない様に掴んでいる事、との強いメッセージがあったため、
彼から旅行に行こうと言われた時にちょうどリシケシに部屋がなくオーロビルに戻ろうかと思っていた為、彼と一緒に旅行に出る事にしました。
(それまでの私は、もうビジネスをいい加減始めなきゃいけないから、お金も使いたくないし無駄にできる時間はないから旅行には行かないと固く決めていた)
その3週間をリシケシで過ごし、計画の為に動いていたら、私はロックダウンの影響で大きな痛手(出費)を追う事になってたと思う。
そもそも、瞑想中に「家を手放そう」と思い立ち、グルガオンの家財道具一式を売って家なし生活に突入していたから、今も家賃が発生せず日本でぬくぬくと過ごしていられるのだから、潜在意識は未来に何が起こるのかちゃんと知っているのだと思う。
スティーブ・ジョブズの逸話
私の話は抽象的すぎるので、スティーブ・ジョブズとニームカロリババとの逸話を。
ジョブズは1974年の4月にニームカロリババのアシュラムを訪れたが、ババジはその前年9月に肉体を離れたため、実際には会っていないと言われています。
しかし、ジョブズは亡くなる時にもババジの写真を持っていたそうです。

真のマスターは、肉体を離れてからも尚、我々を導きます。
ジョブズがその後インドに来たという話は聞きませんが、大学を中退した頃にサンフランシスコ近くのクリシュナ寺院(ヒンドゥー教寺院)に通い無料の食事を食べ、Autobiography of a yogi あるヨギの自叙伝を一番大切な本として肌身離さず(Ipadに入れて)持ち歩いていたそうですし、彼は精神性(スピリチュアリティ)をとても大切にしていた人なんだと感じます。
ジョブズの他にもアメリカの有名人たちがババジに会いにインドに来たと伝えられていますが、セレブの名前ばかり出して「大切な事」が見えなくなってしまうのは残念なのであえて書くのは控える事にしました。
どこにいても必ず導いてくれる
悟りに至ったマスター達の意識は共通しています。
実は、ニームカロリババだろうと、シルディのサイババだろうと、オーロビンドだろうとキリストだろうとブッダだろうと、ラマナ・マハリシだろうと、シャンカラチャリアだろうと関係ありません。
彼らは全て同じ意識であり、その時々の、帰依者の受け入れやすい姿、形で現れ我々を導いてくれます。
そして、その意識は神やマスターの姿としてではなく、森羅万象の全ての中に現れてきます。
もちろん、あなたの中にもそれがあります。
そのことを頭の中だけでなく心で理解しかけた時、あなたにはあなたを導いているマスターの意識が伝わってくるでしょう。
ぜひその声に耳を傾けてみてください。
素敵な旅を。
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