魂の在り方と意識・感覚

気候変動を止められるのは農業だけ

前回からの続きで、全体を学ぶ学校 秋II の感想です。

アグロエコロジーは希望

2日目の午後に印鑰智哉さんが、アグロエコロジーについて講義を行ってくださいました。
      → 印鑰さんのブログ
      → 印鑰さんのFacebook (facebookの方が次々更新されています)

森のケアテーカーの事や参加者の皆さんと話した色々な面白い事も早く書きたいのですが、明日から種苗法の参議院での審議が始まるので、印鑰さんがお話しされた事をまずは書きたいと思います。

アグロエコロジーのわかりやすい講義

まず、アグロエコロジーについて、複雑で多岐に渡る内容を2時間ほどで説明できる様に、要点を絞ってめちゃくちゃ簡潔にお話しされていました。
めちゃくちゃ簡潔に要点を絞って、2時間かかるお話しなので、当然ブログで1記事にまとめられるはずがありませんので(笑)、
印鑰さんの講義の中でも、特に私が「アグロエコロジーを全く知らない人」に、まだ意味はわからなくても構わないからキーワードだけでも頭の片隅に入れておいて欲しいなと思うものを、3つだけ、ピックアップしたいと思います。

1. 世界から土がなくなる

世界の土壌は既に3分の1が喪失されていて、5秒ごとにサッカー場分ほどの土が流出している。
2050年には90%以上の土が失われる。


ちなみに、1cmの表層土壌ができるには100〜数百年かかるそうです。

土壌って何なんでしょう?
考えた事ありますか?
石や砂のことじゃないですよ。土壌です。
living soil 生きた土が大切だ、と、長年私のfacebookなどを読んできた人は聞いた事があるかもしれないですが、生きた土ってどういうものか想像できますか?

ちなみに、「死んだ土」からは、ミネラルなどの無機物も流出していきます。

今はまだ「生きた土」や「死んだ土」がどういう物か想像できなくてもいいです。先へ進みましょう。

2. Web of life – 化学肥料・農薬が土にどんな影響を与えるのか

植物はWeb of life の力で育つ。植物と微生物の共生。
「根っこ」とは、植物の根だけで成り立っている訳じゃない。菌根菌の糸が根っこを作っている。

Web of lifeとは、生命の網、クモの巣状に広がり繋がり合う命のネットワークの事。

植物は光合成によって作り出した炭素化合物の40%を根から地中に流しているそうです。
その炭水化物を求めて様々な命が根に集まってきますが、今回注目するのは菌根菌
菌根菌は植物の作り出す炭素化合物を取り込み、植物は菌根菌が作り出すリン酸や窒素などの栄養素を吸収して育ちます。
まさに、共生。
お互いが存在しないと、生きていけない。(はずなんだけどね)

ちなみに、この菌根菌たちが合成するタンパク質によって土がまとまります。
菌根菌たちが少ない土はサラサラになって栄養素やミネラルも流出するし、雨が降っても水を保持できずに流れていってしまいますね。
もちろん、土自体も流れちゃう。

で、ここで土に肥料を入れるとどうなるか。
既に土に栄養素があるので植物が炭水化物を地中に流さなくなるそうです。
だから、菌根菌糸が無くなります。
(見た目にも、網目状の白いモヤモヤふわふわした根っこがないのがわかります。)

地中に流さなくても(菌がいなくても)リン酸や窒素は得られるから、光合成で作った化合物は全部植物自身の為に使える → つまり、植物は大きく育ちますよね。土から上だけ見れば。
土の中には根っこがしっかりと張られていない。

「植物が大きく育っている」のではなく、「見える所だけ大きくしていて全体としては弱っている」んだよね。

まるで現代人みたい。

農薬は、地中の菌だけでなく、他の微生物たちも殺しちゃうから、土の中がいかに「いのち」のない世界になっていくかイメージできるかな?

これが、死んだ土。

ちなみに、全体性を考えるアグロエコロジーや自然農法において、「有機農法」が否定される事があるのはこういう理由からです。
土の中の生態系を壊すのは、化学肥料や石油由来の農薬だけの話じゃないんだよね。
特に、有機肥料に関しては土と畑全体の生態系を保ちながら使うのが難しい、というかそこまで考えて使用されず、過剰投与されている事が多いから否定されがちなのかも。
全体性に目を剥ける人が増えて有機肥料もうまく活用できればいいのかな、と個人的には思っています。

3. [ 4/1000イニシアチブ] 気候変動を止められるのは農業だけ

4/1000イニシアチブとは、「世界中の土壌中に存在する炭素の量を毎年4/1000ずつ増やす事ができたら、大気中のCO2の増加量をゼロに抑える事ができる」という計算に基づき、土壌炭素を増やす活動を推し進めようとする国際的な取り組みです。
2015年にパリで行われた気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)の際にフランス政府主導で始まり・・・(後略)

http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/publication/files/no112_4.pdf

1.からの流れを思い出してください。
植物は大気中の炭素であるCO2を、光合成によって炭水化物とO2にしますよね。
植物が、大気中の炭素を地中に流してくれるのです。

しかし、2. でみたように、肥料や農薬によって地中の生態系を奪われた場所では炭素は地中に流れていません。

CO2だけでみても、現在の農業による環境破壊は、環境破壊の標的にされがちな飛行機などの輸送によって排出されるCO2よりもずっと影響が大きいとも聞きます。

これらはお話のほんの一部

これらはお話のほんの一部ですが、この辺りが、農業の問題を考える時の基本的な知識というか、考え方なのかな、と思います。

種苗法の問題に繋げるような事を書きたいと思ってたけれど、先が長すぎて挫折しました。(涙)
種苗法改正案については、下の動画をみて見てください。これでも種苗法関連についてめっちゃ端的にまとめてあります。

種苗法について、そしてその種苗法改正の何が問題なのか、「難しい事は苦手だから簡単に知りたい!」という方はこのYoutubeを見てください。シェアしてね。→ 種苗法改正案と食の支配


種苗法は「食の支配」に大きく関わってくるけれど、実はタネを支配される事は、食の主権が脅かされるだけではなく、環境にも影響していきます。

種苗法の改正案については、種苗法だけを単体で見ても問題点は見えてきません。
これまでの種と農業を取り巻く日本の政策、そして世界で起こっている事を合わせて考える事で、この改正案がどんな目的の為に行われているのか、それを見ようとする事が大切。

少しずつ知っていけば難しいことばかりではないので、
ぜひ一度、立ち止まって考える機会を持ってみてください。

「ここが良くわからない」とか、「知らない」という事を言える社会だと、もっとみんなが「知る」きっかけを持ちやすくなるんじゃないかな、と思っているので、

社会を良くする為に何もできない、とか、
良くしたいと思っていても私には無理、
こんな難しい事考えたくない、

じゃなくて、

私全然わからないんだけど、でもこの言葉が気になるよ、どういう事?

って、聞くことから始めれば、それが大きな一歩なんだと思います。

私はこういう話をするのが大好きなので、何も知らなくてもそれでも問題ないので、気軽にコメントやメッセージで質問してください。

こういった事が、もっと日常的に簡単に話題にできるようになるといいなぁと思っています。


↑  農業の事というより、もっと大きな流れで今の時代を見るのに良さそうな本です。
本を買わなくても、このAmazonに書かれているレビューが参考になるのでぜひ見てみて欲しい。




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